
『絵巻水滸伝』第二部も連載再開から既に一年が経ちました。梁山泊と官軍の戦いもいよいよ大詰めです。
現在、『絵巻水滸伝』第一部全十巻が、魁星出版から発売中です。ネットに掲載されたイラストを含め、描き下ろしも多数収録、各巻それぞれ200点以上の挿絵がオールカラーで掲載されています。テキスト、イラストとも、可能な限りの加筆・訂正を行いました。
★『絵巻水滸伝・第3巻〜血戦鴛鴦楼』
武松よ、怒れ!
武松よ、走れ!
“行者”武松、景陽岡に虎を打つ。
「──あたしが、毒を盛って、殺したの」
──武松は走った。
いつまでも、走り続ければよい。
永遠に、ぎらぎらと耀く真っ赤な血の中を駆けるのだ!!
闇を虎が駆けていた。女が微笑む。
虎とともに、虎となり、女を追い、武松は行く手を阻むものを殺し続けた。
月は彼を導く光だ。
血は世界を照らす光だ。
武松は自分に投げ与えられた宿命の中を走った。
(本文より)
絵巻水滸伝(第3巻)
B5判/256ページ/オールカラー
定価 2,500円 (税込 2,625 円)
発売 2006年8月25日
「主要人物紹介」「絵巻水滸伝地図」付き