
『絵巻水滸伝』第二部も連載再開から既に一年が経ちました。梁山泊と官軍の戦いもいよいよ大詰めです。
現在、『絵巻水滸伝』第一部全十巻が、魁星出版から発売中です。ネットに掲載されたイラストを含め、描き下ろしも多数収録、各巻それぞれ200点以上の挿絵がオールカラーで掲載されています。テキスト、イラストとも、可能な限りの加筆・訂正を行いました。
★『絵巻水滸伝・第6巻〜祝家荘風雲』
美貌の女剣士・扈三娘が華麗に登場、誰よりも強くありたいと願う彼女の前には、どんな運命が待ちうけているのでしょうか。
勝って、私は自由になるの──
天然の美貌、海棠の花──うるわしき“一丈青”扈三娘、梁山泊に戦いを挑む!
吹き上げる風が、髪を乱す。
(戦だ……!!)
扈三娘は夜空を仰いだ。
戦が始まる。
本当の戦。旅の武芸者との腕くらべや、村同士の小競り合いなどではない。相手は、国中に名の轟いた無頼の砦だ。
──梁山泊。
その名に胸が高鳴った。
風に乗り、男たちの声、武器の触れ合う音が聞こえてくる。
何かが動き出したのを肌で感じた。何かが変わる、何かが、今まさに始まろうとしているのだ。
中天に、赤い星が輝いていた。
禍々しく澄んだ、真紅の光。
ケイ惑星──戦の星。
(……私の星)
一条の真紅の光を瞳に受けて、扈三娘は戦いの女神のごとく微笑んだ。
(本文より)
絵巻水滸伝(第6巻)
B5判/256ページ/オールカラー
定価 3,500円(税抜)
発売 2007年2月25日
「主要人物紹介」「絵巻水滸伝地図」しおり付き