「絵巻水滸伝」が出版される一年ほど前、正子は出版に向けてのプレゼンテーションのため、「絵巻水滸伝」の雛形──手作りの実物大見本を作製しました。そのとき正子がデザインした表紙が、上の画像です。(ゴールドに輝かせることを前提にデザインされ、シルバーのメタリック紙にプリントしています)
3冊を正子が手作業で製本し、キノトロープさん、デザイナーのミルキィ・イソベさんにお渡ししました。
そして残る一冊は、正子が今も大切に保存しています。
正子が提案した本のサイズは「八切」(165×216㎜)と呼ばれるものでした。ちなみに、実際に世に出た「絵巻水滸伝」のサイズはB5判(190×263㎜)。
──以下、正子メモより抜粋
「(「八切」サイズは)もともとは写真印画紙のサイズで、出版においては、手ごろな価格帯のフルカラーの図版本に多く用いられています。
例としては、河出書房の「ふくろうの本」シリーズ、学研の「グラッフィックブックス」シリーズ、新潮社「とんぼの本」シリーズなどが、このサイズです。
おおむねページ数は130〜150ページで、価格は1400〜1800円が相場のようです。
ちょっと高い気がしますが、これは使用されている紙質がかなり良いからで、紙質を落とせば、もっと安く出せると思います。
第54回を例に取りますと、1回が28ページですので、
1冊が144ページの場合、5回収録で全16巻、
1冊が224ページの場合、8回収録で全10巻
となります。(あくまで目安です)」