「絵巻水滸伝」第二部は、108人の好漢が梁山泊に集結した数年後から始まりますが、みなさんちゃんと108人全員のことを覚えているでしょうか?
何人か忘れてしまった人も、もちろん全員、宿星とあだ名まで覚えている、という人も、もう一度復習してみましょう。
席次順ではなく、集結後に定められた梁山泊での役割順に紹介します。
あの好漢は、梁山泊でどんな仕事をしているのでしょう?
★歩兵軍頭領
歩兵は、騎兵が突撃・攪乱した後に敵に当たる戦闘の中核を成す部隊です。敵の城門に攻め寄せたり、城壁によじ登ったりもします。機動力よりも実際的な“強さ”が求められ、その将も、部隊を統率するというよりも、個人的武勇に優れ、そのカリスマ性によって自然と部下に慕われるような好漢が配置されています。馬に乗れないわけではありません。
22★天殺星“黒旋風”李逵
(てんさつせい こくせんぷう りき)
あだ名は「黒いつむじ風」──“黒旋風”。色の黒い大男で、鉄牛とも呼ばれる。天真爛漫だが酒癖が悪く、怒りだすと常人の手には負えない乱暴者。二振りの板斧を武器とする。
沂州の生まれだが人を殺して逃亡し、江州に流れ着いて牢勤めの小役人となった。江州では牢番長の“神行太保”戴宗を兄貴と慕っていたが、ある日、その戴宗から一人の流刑人を紹介される。その人物こそ、山東の“及時雨”宋江であった。以来、李逵は宋江を兄貴と敬い、生涯かわらぬ忠義を尽くすことになる。
梁山泊きってのトラブルメーカーであり、人殺しをしないと具合が悪くなるという性分であるが、その心は子供のように無邪気であり、純真である。また母親思いの一面もあった。戦では常に斬り込み隊長として先頭に立ち、斧を手に裸で敵陣に突っ込んでいく。
梁山泊内で李逵を扱えるのは、“兄貴”と慕う宋江と戴宗のほかは、一目置いている呉用、燕青くらいのものである。