「絵巻水滸伝」第二部は、108人の好漢が梁山泊に集結した数年後から始まりますが、みなさんちゃんと108人全員のことを覚えているでしょうか?
何人か忘れてしまった人も、もちろん全員、宿星とあだ名まで覚えている、という人も、もう一度復習してみましょう。
席次順ではなく、集結後に定められた梁山泊での役割順に紹介します。
あの好漢は、梁山泊でどんな仕事をしているのでしょう?
★騎兵軍八驃騎兼先鋒使
24★天究星“没遮ラン”穆弘
(てんきゅうせい ぼっしゃらん ぼくこう)
あだ名は“没遮ラン”──その意味は、読んで字の如く「遮るものなし」。“小遮ラン”穆春の兄。もとは江州掲陽鎮を仕切る顔役である。江州には三つの勢力があり、掲陽嶺峠を仕切るのが“混江竜”李俊と“催命判官”李立、河の潯陽江を縄張りとするのが“船火児”張横と“浪裏白跳”張順の兄弟、そして、街の掲陽鎮を牛耳っているのが、穆弘と穆春であった。宋江が潯陽楼に叛詩を書いて捕らえられると、李俊、張順らと船をしたてて江州へと救出に向かい、そのまま梁山泊の一員となった。江州勢は多くが水軍に編成されたが、彼は街の出身であり、また武勇にも優れていたので騎兵軍に抜擢された。船より馬の扱いのほうが巧かったのかもしれない。