水滸伝中において、役職中の順序と席次は一部一致しない。たとえば、第9位の花栄ではなく、第15位の董平が五虎将に選ばれたのは、花栄には主力部隊よりも弓兵を含む遊撃部隊の指揮官がふさわしいと判断されたためであろう。董平は武芸、軍略には優れるが、その戦い方に個人的な癖があり、臨機応変の冷静な判断、機敏な対応が必要とされる驃騎部隊には適さない。八驃騎筆頭には、冷静かつ柔軟な思考を持つ花栄こそ適任であるといえるだろう。
また、八驃騎の中でも、徐寧、楊志、索超より席次の高い、第16位の張清が五番手に下ろされている。張清は礫を持てば無敵であるが、個人的な武芸は上位の四人に劣り、またその軍は敏捷であるが、副将二人も飛び道具をと得意とするなど軍としては繊細なきらいがある。出合い頭には勝利できても、突破されればもろい。第12位の朱仝が六番手にくるのは、朱仝は攻撃や突破よりも抑えや援護に巧みであるためだろう。