「絵巻水滸伝・第2部」には、梁山泊の好漢たちのほかにも大勢の人物が登場します。その中から、討伐軍の中核をなす十節度使をご紹介しましょう。
“老風流”王煥
河南河北節度使。齢六十にして、その意気はますます盛ん。若き日は美男の誉れ高く、都の美妓と浮名を流し、“王風流”のあだ名を欲しいままにした。
もとは太行山に立てこもった賊の首領で、泰山奉納試合で招安を受けた。長鎗の名手でもあり、愛用の鎗は重さ四十七斤。もとは四十八斤あり、足りない一斤は三十有余年の戦いのうち、自然とすり減ったもの。官軍、山賊ともに敬慕され、“老王煥”“じいさん”とも呼ばれている。