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2009年 10月 31日
★梁山泊の108人 其之七十一
★金銭糧食を司る頭領
おもに梁山泊の軍事を扱う聚義庁首脳部とは別に、後方支援を担当する好漢たちのリーダーです。
梁山泊には沢山の住民が住んでいます。彼らの衣食住をまかない、そして、戦となれば数万の兵士のための兵站を輸送しなければなりません。梁山泊が年間、どれくらいの予算を必要とするか……おそらくたいへんな金額になるでしょう。それを管理するのが彼らの仕事です。柴進は外交交渉や“鶏狗”を使った情報収集や輸送路の確保、李応は全国にある“店”の管理運営も行っています。平時も働き、戦時にはさらに忙しくなる激務です。

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11★天富星“撲天チョウ”李応
(てんふうせい はくてんちょう りおう)




あだ名は“撲天チョウ”──「天を撃つおおとり」の意。点鋼槍(磨き上げた鋼の槍)の使い手で、背には五本の飛刀を隠す。隼の眼、鷹の眸、堂々たる風貌の持ち主で、財を疎んじて義を重んじ、壮士の名に恥じぬ人物である。
もとはウン州独竜崗の麓にある李家荘の長者で豪勇をもって知られていた。独竜崗の麓には、李家の李家荘、祝家の祝家荘、扈家の扈家荘が隣接しており、三荘は常日頃から梁山泊の掠奪に備えていた。そんなある日、“鼓上蚤”時遷が祝家荘で鶏を盗んだことから、梁山泊との戦端が開かれる。すでに“病関索”楊雄、“ヘン命三郎”石秀と知己を得ていた李応は仲裁に乗りだすが、失敗してしまう。その後は中立を守るが、戦が終わると、李応の人柄を見込んだ梁山泊になかば無理やり仲間入りさせられた。
李応は非常に寛容な人物で、薊州で殺人を犯し、かつ人も恐れる醜い容貌の杜興に目をかけ、屋敷の一切を任せるほど信頼していた。また突如訪れた楊雄ら──彼らも薊州で殺人を犯して逃亡中の者たちである──にも、助力することを惜しまない。しかし、祝家荘に侮られると自ら甲冑に身を包んで乗り出す血気さかんなところもあるが、梁山泊軍が押し寄せて祝家荘戦が始まっても、復讐のために賊である梁山泊に力を貸すような軽率な行いはしなかった。
“撲天チョウ”李応は、道理をわきまえた鷹揚な富豪の風格と、英雄の激情を併せ持つ、たいへん中国的な「大人」である。


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by suiko108blog | 2009-10-31 02:58 | 絵巻水滸伝人物名鑑【梁山泊】 | Comments(0)
2009年 10月 30日
★梁山泊の108人 其之七十
★金銭糧食を司る頭領
おもに梁山泊の軍事を扱う聚義庁首脳部とは別に、後方支援を担当する好漢たちのリーダーです。
梁山泊には沢山の住民が住んでいます。彼らの衣食住をまかない、そして、戦となれば数万の兵士のための兵站を輸送しなければなりません。梁山泊が年間、どれくらいの予算を必要とするか……おそらくたいへんな金額になるでしょう。それを管理するのが彼らの仕事です。柴進は外交交渉や“鶏狗”を使った情報収集や輸送路の確保、李応は全国にある“店”の管理運営も行っています。平時も働き、戦時にはさらに忙しくなる激務です。

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10★天貴星“小旋風”柴進
(てんきせい しょうせんぷう さいしん)




あだ名は“小旋風”──「小さなつむじ風」。宋に禅譲した後周世宗の嫡流の子孫で、柴大官人とも尊称される滄州の大富豪である。流罪人や好漢の世話をするのを好み、常に多くの食客を抱えていた。客を好む柴進は戦国時代の孟嘗君にも例えられ、冤罪により滄州流刑となった“豹子頭”林冲のほか、梁山泊初代首領の王倫や“及時雨”宋江、宋清兄弟、“行者”武松、“石将軍”石勇など、世話になった者は数多い。しかし、やがて高唐州に住む叔父の横死から災いに巻き込まれ、梁山泊を巻き込んだ高唐州戦が勃発。柴進も梁山泊の一員となる。
柴進の鷹揚な大人の風格、端麗な容貌と爽やかな弁舌は、梁山泊随一のものである。そのため、梁山泊では外交方面で活躍することが多く、北京に潜入して蔡福・蔡慶兄弟と接触したり、東京の元宵節では禁中にまで紛れ込む。大胆なだけでなく、宮中にいても怪しまれない高貴さが貴公子・柴進の凄さであろう。
なお、後周国の皇帝であった世宗は、名を柴栄と云い、軍事、内政ともに非凡な力量を持ち、唐末から続いた乱世を半ばまで平定した。しかし、惜しくも覇業の途上で病に倒れ、三十八歳の若さで夭折する。後周が築いた基盤をそのまま引き継いで建国されたのが、宋なのである。


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by suiko108blog | 2009-10-30 02:32 | 絵巻水滸伝人物名鑑【梁山泊】 | Comments(0)
2009年 10月 29日
★好漢なまえ辞典(14)
好漢たちあだ名は、中国語でどんなふうに呼ぶのでしょう? またその意味は?

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武松

Wu Song
【ウー・ソン】




「武」はわりとある姓ですが、日本人から見ると、ちょっとかっこういいですね。そして、問題(?)の「松」ですが……。植物の「松」の意味のほかに、「緩める」「力を抜く」「ふわふわしてもろい」などの意味があります。「手元に余裕がある」とか……。サクサクしていれば「松脆」、気楽は「軽松」といったように使われます。
あの武松が?という感じですね。松の木のイメージなのでしょうか?それとも、「武」という姓の硬さを中和するために、あえて「緩め」たのでしょうか?
堅くて真っ直ぐで、深山の岩に立つ孤松を思うか、武松の内面のどこか不安定さを思うか……これも、“行者”武松という人物が、とても複雑な存在であることを表現しているのかもしれません。



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by suiko108blog | 2009-10-29 02:53 | Suiko108 クロニクル | Comments(2)
2009年 10月 28日
★名せりふクイズ〜言ったのは…
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 石秀が笑った。その顔が、楊雄にはなぜか懐かしく感じられた。
「君は、家族は?」
「俺は天下に一人きり。気楽な身だ」
「そうか……私も、妻がいるが──身内はいない」
 楊雄は目を伏せて、冷えた酒を飲み干した。

「弟になってもいいぜ」

 ふいに石秀が言った。楊雄は驚いて顔を上げた。
「昔から、あんたみたいな兄貴が欲しかったんだ」
 石秀は杯を差し出した。簾の間から差し込む光が、眸に明るく映えていた。

第一問の答えは石秀でした! (「絵巻水滸伝・第5巻」)

義兄弟は多いけれど、自分から義弟の名乗りを上げたのは石秀だけ!?
よほど楊雄が心配だったのでしょうか…。


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by suiko108blog | 2009-10-28 01:54 | 絵巻水滸伝クイズ | Comments(3)
2009年 10月 27日
★名せりふクイズ、言ったのは誰?〜第一問
このセリフを言ったのは誰でしょう?
答えは明日!
(問題はsuiko108が適当にページを開いて選出しています。マニアックな問題が出る可能性アリ!)

「弟になってもいいぜ」


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by suiko108blog | 2009-10-27 02:25 | 絵巻水滸伝クイズ | Comments(7)
2009年 10月 26日
★予告!
現在発売中のマンガ雑誌「戦国武将列伝」(リイド社)、2009年12月号にて、緊急予告!
正子公也「日本戦国絵巻」に興味のある方は、ぜひ書店・コンビニ等でご覧ください。

戦国武将列伝 2009年 12月号「次号のお知らせ」に注目!

戦国武将列伝 2009年 12月号 [雑誌]
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by suiko108blog | 2009-10-26 01:40 | Comments(0)
2009年 10月 25日
★好漢なまえ辞典(13)
好漢たちあだ名は、中国語でどんなふうに呼ぶのでしょう? またその意味は?

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魯智深

Lu Zhi−shen
【ルー・ヂーシェン】




魯は山東省西部にあった国に由来する姓です。孔子の出身地でもあるわけですが、この「魯」という文字は、魯鈍など「愚」の意味に使われることが多いのです。「魯笨」は愚鈍のこと、「魯人」はぼんやり者、「魯男子」といえば女色に関心のない朴念仁を云うのだそうです。
義侠心にはあついけれど、ほしいままに生きていた一人の男──彼が運命と出会い、“智深”「智慧が深い」という法名を与えられたわけです。彼の俗名は「魯達」。文字通り、「達する」という意味です。
乱暴者が深き智慧に達する──“花和尚”魯智深の一生を言い表してはいないでしょうか?



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by suiko108blog | 2009-10-25 01:53 | Suiko108 クロニクル | Comments(0)
2009年 10月 24日
★水滸伝おみやげ
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水滸伝ファンなら必ず一組は持っているトランプです。
この絵柄は昔から中華街などでもよく売っているスタンダードな絵柄ですね。本当によく見る絵柄なのですが、そういえば一体だれが描いたのでしょう……。
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by suiko108blog | 2009-10-24 02:17 | Comments(0)
2009年 10月 23日
★梁山泊の動物たち_時遷のネズ公
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絵巻水滸伝には強面の豪傑たちが次々と登場し、縦横無尽に活躍しますが、彼らが連れている可愛い動物たちも負けてはいません。中でも、最も出番が多く、なおかつ好漢顔負けの大活躍をしているのが、“鼓上蚤”時遷の連れている子鼠──“ネズ公”でしょう。
このネズ公のモデルも、森下家のねずみ。正体はジャンガリアン・ハムスターです。縁日で買われて来た、やぶれ耳のネズ公は、おっとりとした、おとなしい性格でした。夕飯時になると小屋から出てきて立ち上がり、じっと何かおいしいものが貰えるのを待っていたものです。そして、ある寒い日、やはり静かに、眠ったまま冷た くなっていました。
もう何年も前のことですが、今も本の中で元気で可愛い姿が見られるのは、本当に嬉しいですね。
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by suiko108blog | 2009-10-23 00:48 | 絵巻水滸伝人物名鑑【その他】 | Comments(0)
2009年 10月 22日
★梁山泊の動物たち_“菜園子”張青のうさぎ
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『絵巻水滸伝』には、好漢たちの相棒として多くの動物が登場します。時遷のネズ公、薛永の太白(たいはく)、楊林の烏龍(ウーロン)──みな個性的な動物たちですが、中には実在のモデルが存在する動物もいます。
“菜園子”張青が「女房よりも可愛がっている」愛兎──これは実は森下家のうさぎがモデルになっています。初登場は画集に収められた張青の一枚絵。その後、絵巻にもたびたび登場しましたが、うさぎの寿命は長くても十年ほど。今はすでに月に帰り、張青のうさぎも二代目が登場しています。お気づきになられたでしょうか?
                    絵巻水滸伝(第3巻)第二十六回 十字坡より
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by suiko108blog | 2009-10-22 03:31 | 絵巻水滸伝人物名鑑【その他】 | Comments(0)