『絵巻水滸伝 第9巻〜大戦梁山泊 』ハイライト(32)
拷打され、気を失いかけた盧俊義の上に、また水がかけられた。
見開いたままの目に、拷問係の顔がぼんやりと見えた。二人は、料理人が魚を吟味するような目で、盧俊義を見下ろしていた。
今日から盧俊義の尋問を行うことになった二人の男を、獄長は“慶福”と呼んでいた。姓は蔡なのだという。双子ということだったが、まったく似ていなかった。ひとりは痩せていて色黒く、ひとりは太っていて白かった。痩せている方は鬢に一輪の花を挿していた。痩せた男が、抑揚のない、かさついた声で言った。
「もう少し責めよう」
「では“拶”だ」
二人は盧俊義の前に奇妙な道具を運んできた。
(『第63回 埋伏』より)
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キノトロープ/絵巻水滸伝)
我々は決して負けない!! All Men Are Brothers 梁山泊一同
被害に遇われた皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。被災地の復興をお祈り致します。
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