2010年 11月 06日
『絵巻水滸伝』ハイライト(82)
『絵巻水滸伝 第6巻〜祝家荘風雲』ハイライト(12)

 血が迸り、聚義庁の梁を赤く濡らした。誰もが息を飲み、言葉を飲んだ。
 一本の腕が、床の上にごとりと落ちた。“鼓上蚤”時遷の腕ではなかった。
「……雄さん!!」
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 床に広がる血だまりの中に、楊雄が幽鬼のごとく佇んでいた。左肩から、ぼたぼたと血が垂れている。その血を浴びて、時遷は惚けたように腰をついていた。
 楊雄は、呻きもせず、眉すらも動かさず、ただ首だけを動かして、壇上の晁蓋を見た。ゆっくりと腰をかがめて、床に転がる腕を拾った。その腕を、晁蓋に向け、突き出した。
「この“病関索”の腕、証として不足はあるまい……!!」


絵巻水滸伝(第6巻)(第四十四回 決別より)
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by suiko108blog | 2010-11-06 01:06 | 絵巻水滸伝のススメ | Comments(0)


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